「LOVEを料理する店」
「僕自身がフュージョンなんだ」と話すシェフでオーナーのゲレロ氏は、フィリピン生まれで、フランス、スペイン、中国の血を引く。家族が経営するレストランを幼い頃から手伝い、大学ではアートを専攻。現在は彼の持つすべての創造的エネルギーを料理に注ぎ込む。
3種類のタルタルがお行儀よく並んだアペタイザーには一目で虜になってしまう。マグロ、マンゴー、アボカド、マサゴの組み合わせは色鮮やか。口に入れると甘さと塩辛さ、魚の脂とフルーツのジュースが溶け合う不思議なおいしさ。スモークサーモンにクリームとキャビアは王道を行く。ハマチはクリーミーなソースでマリネされ、トビコのトッピングで“脱・醤油”を提案する。メインの“マグロのたたき”は肉厚で食べ応え十分。ブラックペッパーだけでいただくもよし、辛酸っぱいリゾットと合わせるもよし。ポークテンダーロインは、ホウレン草、ニンジン、トマトとにぎやかな畑に顔を出した切株のよう。アジアならではの甘辛いソースを柔らかいポークや甘く煮付けたリンゴ、爽やかなトマトに絡めて楽しもう。そして1番のおすすめは、バニラアイスを添えたガレット。薄く焼かれたリンゴのパイはしっとり重厚、大人の甘さで病みつきになる。
「うちの店では、すべてが1から手作り。つまりLOVEを料理してるんだよ」と微笑むゲレロ氏。まじめな表情で、ゆっくりと、穏やかに話す様が印象的であった。
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