LAを好きになるには理由がある
シノワ・オン・メイン−食べることが好きなら、その名を知らない人はいないだろう。往年の名女優ローレン・バコールを始め、カリーム・アブドゥル=ジャバー元プロバスケットボール選手、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官など、訪れた著名人は数え切れない。24年の歴史を誇る、まさに老舗中の老舗。
サンタモニカのメインストリートで、ひときわ目を引く白い外観。「長く勤めているスタッフばかりなの」と話すジェネラル・マネジャーのベラ・ランツマンさんが、オープン以来店の顔として君臨するメニューを紹介してくれた。腕を振るうのはベテランシェフのレネ・マタ氏だ。
大胆にまるごと1匹を揚げたなまずのから揚げは、ショウガとポン酢ソースでいただく。カリッ、ジュッ。分厚い白身とクリスピーなころもが、口の中でアンサンブルを奏でる。アスパラガスをアヒツナで巻き、さっと揚げたアヒツナ刺身の天ぷらは、濃厚なウニソースで。そしてシラントロとミントのビネガーソースが目にも鮮やかなラムチョップ。噛み切れるほど柔らかいラム肉の付け合せは、なすと野菜の味噌和え。温かく、どこか懐かしい味。
「シノワの料理が食べたくて、マイアミからLAに越してきたお客さんもいるのよ」。ベラさんの言葉を思い出した。老舗を鼻にかけず、忠実にその味を守り、家族のように迎えてくれるレストラン。なるほど、LAを好きになるには充分すぎる理由だ。
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