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文:アポ&イニゲンバーグ

拡大するデモ行進!「移民改革法案」について教えて

3月、4月と全米各地で移民法の規制強化に抗議する数10万人規模のデモ行進が行われました。5月にもさらに大規模なデモ行進が予定されています。移民法改正がなぜここまで大きく取り上げられ、この改正によりどういったことが起きるのでしょうか。

Question

 移民改革法案がここまで騒がれるのはなぜですか?

Answer

 移民改革法案、特に不法移民の取扱いに関しては、これまでも多くの議論が交わされていましたが、特に9・11以降、テロリストから米国を守るためには移民法が無視できない存在になってきたことがあげられます。

Question

 法案はすでに下院を通過したと聞いていますが、そのまま法律となるのですか?

Answer

 違います。下院での法案は昨年12月に可決されていますが、現在上院で審議されている別の法案が採決されなければなりません。上院での法案が可決されると、この2つの法案は両院の議員で構成される評議委員会で審議され、最終法案が作成されます。この最終法案が両院で可決されると大統領に送られ、大統領が署名をして初めて、法律となります。

Question
 2つの法案の違いは何ですか?
Answer

 下院案は、国境警備と不法移民の取り締まり強化を主軸としたものです。例として(1)不法滞在を重犯罪とし1年の懲役とする、(2)偽装結婚、偽証による投資家永住権の取得は最長10年の懲役とする、(3)不法移民による麻薬や暴行などの重犯罪には追加の懲罰を与える、(4)飲酒運転の逮捕が3回以上になった場合には、国外追放の対象となる、などです。さらにメキシコとの国境には二重のフェンスを設置するなどの項目も加えられています。下院案にはブッシュ大統領が提言した不法移民の臨時雇用を認めるゲストワーカープログラムや新しい種類のビザについては言及されていません。
上院案では、国境警備の強化に加え、不法移民が永住権を取得できる方法、新しいビザの発行、ビザの発行数の拡大などが含まれています。上院案は下院案に比較すると罰則の色合いが薄く、不法移民がステータスを得る門戸を広げるものと言えます。

Question

 上院で提案されている不法移民が永住権を取得できるという方法はどんなものですか?

Answer

 上院司法委員会で採決された案では、不法移民に条件付きのステータスを与えるというものでしたが、この案は上院の審議で強い反対を受けました。その譲歩案として提案されたものは、不法移民を3つのカテゴリーに分け、受けられる恩恵もそれに従い分けるというものです。5年以上の不法移民には罰金や税金の支払い、英語能力の取得、雇用の確保などを条件にステータスが与えられ、後に永住権申請や帰化申請も認めるもの。2年以上5年未満の不法移民には指定された米国の入国審査場所で短期ビザ申請を行い、その後の永住権申請を認めるもの。2年未満の不法移民には、米国を一旦出国した上でのビザ申請をさせるというものです。

Question

 提案されている新しいビザとはどんなものですか?

Answer

 H−2Cと言われるビザで、これまでH−1Bやその他のビザ取得の資格がなかった人に発行されるものです。このビザは米国外に滞在している、あるいは米国に合法滞在している人に発行され、最初3年、その後3年の延長を認めています。このビザから他のビザへ変更することは認めていません。 そのほか、F−4といわれるエンジニアリング、技術、数学、物理化学の分野で高等な学位を取得するための学生が取得するビザが提案されています。学業プログラムが修了する1年以内に永住権申請の手続きを始めた場合には、F−4のステータス延長を認めるものになっています。

Question

 そのほかに、法案に含まれているものは何ですか?

Answer

(1) 現在F−1学生が取得できるOPTの期間を1年から2年に延長する、
(2) H−1Bの年間発行数を6万5000から11万5000に拡大し、もしこの発行数を使い切った場合、翌年はさらに発行数を最大20%増やすことができる、
(3) 雇用ベースの永住権の発行数を14万から29万に拡大し、家族はこの数に組み込まない、
(4) 直属親族は家族ベースの永住権の発行数48万に組み込まない、などがあります。

Question
 会社経営をしていますが、この法案でどのような影響を受けることになりますか?
Answer

 下院、上院の両案とも雇用者に対し従業員の資格確認をオンラインで行うシステムを提案しています。このシステムは5年以内の導入を目標としており、大企業から先に施行されることになります。不法移民と知りながら雇用した会社には厳重な罰則が課せることも提案されています。

Question

 どちらの法案が法律化されそうですか?

Answer

 上院での法案が可決されていない現段階で予想することは非常に困難です。下院は不法移民への取り締まり、国境警備の強化に非常にこだわりがあり、ブッシュ大統領が提案したゲストワーカープログラムに反対する構えです。一方、上院の法案は共和党も民主党に同意するような形でどちらかというと柔軟性があるものになっています。今後両院が審議を開始し、妥協点を見つける作業となりますが、下院が合意しないことで結論が出ず持ち越されるようであれば、中間選挙で再び白熱することが予想されます。

* 記事は4月14日付けに書かれたものです。上院での審議は4月10日から2週間休会するため、審議再開後また状況が変わる可能性があります(4月24日審議再開予定)。


以上は一般理論に基づくもので、個々のケースに対する法律アドバイスを目的としたものではありません。

アポ&イニゲンバーグ法律事務所
(Apo & Eenigenburg)
1925 Century Park East 5th Floor
Los Angeles
Tel: (310) 229-9296

 

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