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「異種交配物語の主人公、ケミカル兄弟の最新作」

Chemical Brothers “We Are The Night” (Astralwerks)

かつて1990年代初頭に入るまで、ミュージック人類はロック族、テクノ族、ヒップホップ族などに分かれてお互いの領域に干渉するコトなく生活していました。ソコに予期せぬ化学変異で突如として現れたのが、一見おとなしそうなくせに実は暴れん坊のケミカル兄弟。これらの種族の垣根を取り払うかのように前後の見境なく(ホントは完璧なまでに緻密に計算づくで)交配させました。彼らのせいで、もしくは彼らのおかげで21世紀に入った現在、種族間の交流は以前よりはるかに自由になり盛んになりました。相互的にエッセンスを吸収していった結果として誕生したのが、ビッグビート族やデジタルロック族やニューレイヴ族でした。リスナーたちはコレにちっとも戸惑うコトはありませんでした。一番困ったのは「ジャンル分け」というキビシイ作業を必要とされるメディアやCD屋さんでしたとさ。おわり。

ケミカル・ブラザーズの2年ぶりの新作。ニューレイヴの雄クラクソンズや異端ヒップホップだったファーサイドのファットリップなどが参加。やっぱり彼らの異種交配は続く。
 
Chemical Brothers
“We Are The Night”
(Astralwerks)
http://www.thechemicalbrothers.com/

「『人生におけるストーリー』のサントラ」

The Cinematic Orchestra “Ma Fleur” (Ninja Tune)

映画の脚本を書いてみようと思ったとする。題材は「人生におけるストーリー」。さらに自分自身でサウンドトラック音楽をつける。こんな壮大なプロジェクトをやってのけたのが、この活動写真的楽団ことシネマティック・オーケストラ。グループ名からもわかるように映画音楽に傾倒している彼らが、ついに辿り着いてしまった空想キネマ音楽の境地がこの最新作。脳内空想空間がどんだけデカけりゃこんなコトできるんでしょう…。

The Cinematic Orchestra
“Ma Fleur”
(Ninja Tune)
http://www.cinematicorchestra.com/

「笑う卆寿のジャズとボサノヴァ」

Henri Salvador “Reverence” (Circular Moves)


「若さの秘訣は?」「よく笑うこと。後ね、余計な事は詮索しない、心は軽快に。好奇心を忘れないこと。そして、何より僕には歌があるからね(笑)」・・・90歳になって「何より僕には○○があるからね」って言い切れる自信、ありますか?フランスの国民的エンターテイナー/シンガー、そしてボサノヴァ誕生の立役者としてブラジルでもリスペクトされているアンリ・サルヴァドールの最新作。卆寿を迎えても笑おう、そして歌おう。

Henri Salvador
“Reverence”
(Circular Moves)
http://www.circularmoves.com/

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